仮説検定

仮説検定
母集団分布に関する仮定を 仮説 といい、標本から得られた結果によって、この仮説が正しいか正しくないかを判断する方法を 仮説検定 という。また、仮説が正しくないと判断することを、仮説を 棄却する という。
有意水準と棄却域
仮定検定においては、どの程度小さい確率の事象が起こると仮説を棄却するか、という基準を予め定めておく。この基準となる確率 \( \alpha \) を 有意水準 または 危険率 という。
有意水準 \( \alpha \) に対し、立てた仮説のもとでは実現しにくい確率変数の値の範囲を、その範囲の確率が \( \alpha \) になるように定める。この範囲を有意水準 \( \alpha \) の 棄却域 といい、実現した確率変数の値が棄却域に入れば仮説を棄却する。
有意水準は、\( 0.05\ (5\%) \) や \( 0.01\ (1\%) \) とすることが多い。確率変数 \( Z \) が標準正規分布 \( N(0, 1) \) に従うとき、
- \( 1\ -\ p(\ |Z| \leqq 1.96\ ) = \underline{ 0.05\ (5\%) } \)
- \( 1\ -\ p(\ |Z| \leqq 2.58\ ) = \underline{ 0.01\ (1\%) } \)
仮説検定の手順
仮説検定の手順を示すと、次のようになる。
- 事象が起こった状況や原因を推測し、仮説を立てる。
- 有意水準 \( \alpha \) を定め、仮説に基づいて棄却域を求める。
- 標本から得られた確率変数の値が棄却域に入れば仮説を棄却し、棄却域に入らなければ仮説を棄却しない。
有意水準 \( \alpha \) で仮説検定を行うことを「有意水準 \( \alpha \) で検定する」ということがある。